オリジナル/短編集/家族の肖像シリーズ 第2話 page4
お風呂の中で、お兄ちゃんはパパに抱っこされてた。
パパはお兄ちゃんを後ろからぎゅーって抱っこしてた。
お風呂の中で、お兄ちゃんの身体が上がったり下がったりしてて、お兄ちゃんが動くたびにお湯がびちゃびちゃ音をたてて外にこぼれてた。
さっきの大きな音は、この音だったんだ。
ぼくがお風呂のガラスを開けてお風呂の中をのぞいていたら、パパが怖い顔でぼくをにらんで、
「お風呂の中が冷えるから、出て行きなさい」
って言うんだ。
お兄ちゃんは、にゃんこの声で、
「拓矢さん、たくやさんっ」
って、パパを呼んで、ぼくを無視するんだよ。
パパも、ぼくのことをもう知らんぷりして、お兄ちゃんの名前を呼んで、
「イくか? もうイくのか」
って、お兄ちゃんのお耳をガブってかんだんだ。
「ひっ! イく、イきたいッ 拓矢さんッ ずぼずぼしてッツ おしりッ もっとッ イイッ 」
お兄ちゃんは、すごく大きな声でパパに言って、首をぐーって後ろに傾けて、
「きすぅ、キスしてぇ」
って、パパと口をくっつけたんだ。
ほら、お風呂の中でお歌歌うと、ぶわんぶわんって声が大きくなるでしょ。
パパとお兄ちゃんの声とか、お湯がこぼれる音とか、パパとお兄ちゃんがお口をぺちゃぺちゃなめっこする音とか、お風呂の中でぶわんぶわんって、すごい音が響いてた。
パパは、お兄ちゃんを後ろから抱っこしたまま、お風呂から立ち上がったんだ。
お湯がバチャバチャタイルにこぼれて、入り口のぼくまで濡れちゃった。
お兄ちゃんのからだを両手でぎゅっと抱っこしてたパパが、ぱっと手を離したから、お兄ちゃんのからだが前にふらっとゆれたんだ。
ぼくは、思わずぎゅっと目をつむった。お風呂の中にお兄ちゃんが倒れる、って思ったんだ。
「あひぁ…あぁはぁっ」
お兄ちゃんが声を上げた。空気がぷしゅーってぬけるみたいな声だった。
「……おっと」
パパの声がした。
ぼくが目を開けたら、パパがお兄ちゃんの片手つかんで、お兄ちゃんがたおれそうになるのを助けてくれた。
「……チッ ……しっかり立って。」
パパは握ったてを後ろにひっぱって、立ったままお兄ちゃんをうしろからぎゅっと抱っこした。
お兄ちゃんは、はぁ、はぁ、っていっぱい息をしながら、パパがにぎっていない方の手を、後ろに立っているパパのおなかの方に動かして、パパのおちんちんをにさわってた。
「んくッ はぁあ、 やだぁッ! ぬけちゃったぁ…… たくやさ…んッ …ッ! あぁ…いれて、たくやさんの、入れてぇ」
お兄ちゃんの手がパパのおちんちんをなでなでしてる。
「ああ、ああ、またいれてやるから、手をはなして……ッ あぁ、どうした? あのクスリのせいか? 今日は自分からほしがるな」
パパは、笑って言った。
すごくうれしそうな顔で、笑ってる。こんなパパの顔ぼくは初めて見た。
パパは、おちんちんをさわっているお兄ちゃんの手をぱちんとたたいた。
お兄ちゃんは、パパのおちんちんから手をはなして、馬跳びの馬みたいにからだを折り曲げて、お風呂の縁を手でにぎった。
パパの前に、お尻をむけて、
「はぅぁ、は、はやく、ほし…い、ちんぽ、拓矢さんのぉちんぽぉ、ほしいよぉ……ッ」
パパを振り返って見ながら、言ったんだ。
パパは自分のお口をぺろっとなめて、おちんちんをにぎって、お兄ちゃんのお尻に押し当てたんだ。
「よぉし、ほ…ら、入れてやる。 んんッ う、はいっていくぞ…っ 」
「あ、あ、あ、あ、あ、はぁはぁ、はい…くるぅ、ちんぽがぁ…またはいって…っ」
お兄ちゃんが、ぐっと頭を天井にそらして、はーって息をはいた。
ぼくの目の前で、お兄ちゃんのお尻のなかに、パパのおちんちんが、ずぶずぶって入っていく。
「ふっはぁッ あぁぁ、いいぞ、お前の中は……いい…ぞっ!」
パパは、フーッと大きく息をついた後、お兄ちゃんのお尻に身体をどんどん、ってぶつけ始めたの。
パパのおちんちんが、お兄ちゃんのお尻に、出たり入ったりしてる。
うんちが出るところに、パパのおちんちんが入ってる。
あんな小さな穴のなかに、どうやったらパパの大きなおちんちんが入るんだろう。
ずぼずぼ、びたびた、って、パパとお兄ちゃんの身体がぶつかるたびに、お風呂の中に音が響くんだ。
パパもお兄ちゃんも、ぼくのこと本当に忘れてるみたいだった。
パパの大きな手がお兄ちゃんのおちんちんをにぎって動かしてる。
「あ、あ”、あ”、あ、あぅ、あッ いくいく、ひぃひぃい」
「おう、ううッ は、はッ うはっ 」
いつものパパやお兄ちゃんから、想像もできないすごい声。
ぼく、お風呂の熱い空気と大きな音にのぼせたみたいで、足に力が入らなくなって本当にたってられなくて、床にしりもちをついたんだ。
がたん、って大きな音がした。
そしたらパパがぼくをちらっと見た。お兄ちゃんに身体をばんばんぶつけながら
「くぅ、ううっ はッ んはッ いけッいけっ 雅矢の前でイケっ 」
パパの怒鳴り声と、お兄ちゃんが
「いくぅっいぐいぐイクッ! 拓矢さんッ! イクぅっつ!」
って叫んだのが同じだった。
お兄ちゃんのブルブル揺れてたおちんちんから、白いものがどびゅって飛び出したんだ。
「雅矢! 出て行け!」
ぼくを怒鳴ったパパはまだお尻を動かしていた。
びたんびたんって音が、お風呂場に響いてた。
ぼくは、お風呂場から、逃げ出した。
しりもちをついたまま、床を這うようにして、お風呂場から逃げ出したんだ。
その日、ぼくはベッドにもぐりこんでお布団をかぶって、誰とも話さなかった。
ずっと、涙が出て、胸が苦しくて眠れなかった。
朝、パパはいつものようにおしごとに出かけた。
お兄ちゃんは熱を出して寝込んでた。お風呂に長くつかってたから、風邪ひいたんだ。
学校もお休みして、やっと熱が下がったのが、昨日だったんだ。
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