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オリジナル/短編集/DAYS1


「篠原、篠原圭吾だろ」
 欲しくも無いCDを制服のポケットの中に滑り落とし店を出たぼくの名前を呼ぶ声にはっとして振り返ると、にやにやと薄笑いを浮かべた男が立っていた。
ぺらぺらの安っぽいシャツを素肌にひっかけて口にはたばこをくわえている、立花・・・修一。
 同じ中学出身で高一の時は同じクラスだったが夏休みすぎてから学校にこなくなった。
素行のよくないグループとつるみだしたらしく、傷害事件を頻繁におこし何度も補導されて問題児になっていた。
 ぼくが二年に進級する頃には「西高の立花」の名前は恐怖をもって囁かれてて…その立花がぼくの前にたっている。
 立花がぼくの肩に手をかけた。鼻先にたばこの煙りを吹き掛けてくる。
ぼくは内心の動揺を顔にだすまいとしながら彼の手を振り解く。
見られた?いや・・そんなはずはない…。
無視して歩き出そうとしたぼくの前を遮るように立花が立ちふさがった。
「ひさしぶりだってのに、つめてーなぁ、篠原」
 道行く人がぼく達の様子にちらちらと視線を向けている。
ごろつきに絡まれた運のない学生、そんなふうにみえるのだろうか。
ぼくよりも頭一つ背が高く体格もいい立花は傍からはとても高校生には見えない。
 立花がぎろりと視線を外野になげると、野次馬はそそくさと立ち去っていく。
立花は地面にたばこを吐き捨てると、ぼくの制服のポケットに手をつっこんで包装されていないCDをつかみだした。
抗う間もなかった。
 青ざめるぼくの顔の前でCDをひらひらとさせて、出てきたばかりの店の方にちらりと視線を向ける。
「おもしろいことしてるじゃん」
ぼくの肩にまわされた手を今度は振り払えなかった。


■  

 翌日、学校は騒然としていた。
何ヶ月も登校してなかった立花が学校に出てきていたからだった。
 朝の全校朝礼で校庭に設えられた壇上にたち生徒会議事報告をはじめたぼくはその姿を目の端に捕らえて愕然としていた。
 立花は出席日数の不足で進級できなかったため籍は一年のままだった。
その一年生の列の中で立花の姿は異彩をはなっていた。
内側から発せられるよどんだオーラが彼の周りを包んでいるようにみえる。
事情を知らない一年生たちも近寄ってはいけない、と本能で感じているのか、立花の周りはぽっかりと空間ができていて、離れた壇上からでも立花の姿を見つける事は簡単だった。
 議事報告をまとめた書類をにぎる手にじっとりと汗がにじむ。
ずくん、と腹がうずく。昨日人気のない路地につれこまれて、有り金と腕時計をうばわれた。
 さからおうとして、腹をなぐられ倒れたぼくに「これからも仲良くしようぜ」と笑った。
あの時のふてぶてしいゆがんだ笑みを浮かべた顔が、今、目の前に存在している。
ずくん、と腹がうずく。知らぬ間に、青痣になった腹に手をあてていた。
築き上げたものが足下から崩れ落ちていく、そんな感覚に身震いする。
「会長、顔青いですよ、気分わるいンすか?」
 報告を終えたぼくに副会長の吉田が心配げに声をかけてくるのを手で制し浮き出た額の汗をぬぐった。
大丈夫、そう、大丈夫。あいつが何を仕掛けてこようと、平気だ。
西高の生徒会長のぼくが万引きをしたなんて、誰が信じるだろう。
やつがその事をばらしても誰が信じる?札付きの不良の言う事を。
 

 
 昼休みの屋上でぼくは立花とむかいあっていた。
お弁当をたべていた生徒達は立花が屋上に姿を現したとたん、あっという間に蜘蛛の子を散らすように屋上からでていってしまった。
 二人っきりだ。
「わすれもんだぜ」
と立花はぼくに昨日のCDケースを投げて寄越した。
「生徒会長サマが万引きやってるなんてな」
とたばこをとりだし火をつける。
「やめろよ、たばこ」
吹き掛けられる煙りから顔をそむける。
「あいかわらず、いいコちゃんだな、篠原は。中坊のころとちっともかわんねえ」
「なんの用だ、用がないんならぼくは帰る」
「まちな」
立花がぼくの制服のネクタイを掴んだ。
ぐっとひきよせられて、やつの顔が目の前にくる。
「金、貸せよ、篠原」
「貸さない」
「ばらされてもいいのか?万引きの事」
「言えばいい。誰が信じる?お前みたいなやつが言う事なんて!」
そう言ったとたん、立花の足がぼくの鳩尾にくらいこんだ。
躯を折り曲げてむせ返る。ネクタイをつかまれているので
余計に苦しい。
それでも力を振り絞って立花の躯を突き放し、背後の手すりに躯を預けておもいっきり咳き込んだ。
「金は、ださないッ」
もう一度腹をけりあげられて、コンクリートの床の上に転がりこんだ。
げえげえと胃液を吐き出し涙までこぼれてくる。
髪の毛をつかみあげられ手すりに後頭部を痛い程擦り付けられた。
「あの手付きは慣れたもんだったな、あれが初めてって訳ではないだろ」
 確かに、初めてではなかった。
立花の言ういいコの仮面をかぶり続ける事が苦痛で堪らなくなった時、親の過度の期待と教師の信頼と、勉強と生徒会業務に息がつまりだすと取付かれたように万引きをしていた。
 物が欲しいのではなかったし、金が無いわけでも無かった。
開業医の父からは平均的な高校生が与えられる以上の小遣いを貰っていた。
間抜けな店員の目をごまかすのは簡単で、見つかるとはおもっていなかった。
外に持ち出した商品はすぐに捨ててしまっていた。
商品を鞄やポケットにいれる瞬間のスリルが、ただ欲しかった。
そう。見つかるなんて、思っていなかった…なのに。
 よごれた口の端を手のひらで拭って、恐喝者をにらみつける。
「殴ったって、無駄だ」
ここで屈してしまったらずっとこいつにたかられ続けるのは目に見えていた。
冗談じゃない、ごめんだそんな事。
「暴力には屈しませんってか?」
立花が鼻でせせら笑った。
銜えていたたばこを床に吐き捨て靴でねじり消した。
ぼくは頭を強く手すりに叩き付けられた。
目の前に火花が散る。
立花が自分のズボンのベルトを外しているのを霞む目の端で捕らえる。
 次の瞬間そのベルトはぼくの首にまわされ背後の手すりの隙間を通って締め付けられ固定されていた。
ベルトの先端は立花に握られていた。
それをほんの少し引っ張られるだけで首は締め付けられ、ぼくは空気をもとめてぱくぱくと喘いだ。
「悪い事なんていたしませんってツラ、気に入らねぇ」
ぼくの頬を立花の片手が掴む。それから逃れようと首を振ったがしっかりおさえこまれてしまっていた。
 そのぼくの目の前に信じられないものが突き出された。
それはびくびくと脈打っている醜悪なやつのペニスだった。
「銜えな。篠原」
頬をつかんだ手に力が込められてあまりの痛みにぼくは口を開いた。
その口にペニスがねじり込まれた。
「いつまでいいコちゃんでいられるか、ためしてやるよ、篠原」
にやりと口をゆがめた立花の凶器がぼくの口の中をゆっくりと傷つけはじめた。 


 



 屋上から立花が姿を消したあとぼくはしばらくうごけなかった、
やつは何回もぼくの口を犯した。
その度にぼくの口の中に精を放ち、顔になすりつけ飲み込む事を強いた。
抗うと首にまかれたベルトを締め上げた。
最後には射精の後始末を舌でさせられて、やっと解放された時には昼休みはとっくにおわっていた。
 五限めの授業がはじまっている廊下を、誰にも見られないように進みトイレへかけこんだ。
トイレの鏡に映ったぼくの顔は見るも無惨だった。
口の端には血と精液が滲み垂れ、頬はむりやりこじりあけられ紅くなっていた。
急に吐き気が込み上げ個室に倒れ込むように入り躯を折り曲げて吐いた。
吐くモノがなくなってもげえげえと胃液を吐き続けた。
口を濯ぎ終わってもまだ口の中にやつの精液が残っている気がして、また吐き気が込み上げてくるのをぐっと耐える。
 乱れたネクタイを閉め直そうとして首に残ったベルトの跡に目がいく。
真っ赤にはれた痣。
触れるとひりひりと痛む。
これから、どうなるのだろう。
 立花は、やつのペニスをくわえたぼくの顔を携帯のカメラで映していた。
やつの精液を口の端に垂らしたぼくの顔を、
ペニスに舌をからめるぼくの顔を、
何枚も映していた。
 鏡に映る不安に青ざめた顔。
自信に満ちていた生徒会長篠原圭吾の顔は消え去っていた。
唇をかみしめてぼくはいつの間にか涙を零していた。


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