オリジナル/短編集/幸福な誕生日
さあ、笑って。私のかわいいひとり息子の誕生日なんだ。
泣き顔なんかは似合わないだろう。
息子は今日で12になる。そろそろ自分専用のペットを飼ってもいい頃だからね。
君をあの田舎町で見つけた時に、息子の初めてのペットはこの子だ、って思ったよ。
異国の血を思わせる褐色の肌。
ほら、こうして触れると滑らかで、弾力もある。
昨晩私がつけた爪痕もあまり目立たなくなったね。
ああ、乳首のところはまだ痕が残っている。
仕方ないね、君が暴れるから私もつい手荒なまねをした。
せっかく君のしなやかな身体に素敵な飾りをつけてあげようとしたのに。
おとなしくしていたら、あんなに乱暴はしなかったんだよ。
君だって痛い思いをしなくて済んだはずだよ。
きれいだね。君の乳首に似合うと思ったんだ。
今日はシンプルなリングだけれど、
後で君の血を仕込んで作ったきれいな紅玉をつけてあげよう。
熟した紅い実にきっと映えるね。
おやおや、どうしたんだい?
涙がとまらないね。
もうすぐお客様もやってくる頃だよ。そろそろ泣き止んでもらわないとね。
ああ、そうか。お尻がつらいんだね。
君のかわいいお尻がもじもじと動く姿はなかなか扇情的で素敵だ。
そんな小さなおもちゃじゃものたりないんだろう?
昨晩の君は私のモノを銜えたんだからね。
そんなおもちゃよりもっと雄々しくて力強い私を銜えたんだ。
初めて尻でセックスを味わったのに、君は何回も何回も尻を振って私にねだっていたからね。
もっと、もっと、もっと、って。
尻を私に押し付けて擦り付けて、前をいじってあげたら身悶えしてイってしまったね。
それでもまだ足りないって、君が自分から私の上に跨がってきた時は
息子のペットにするのが惜しいとおもったよ。
それだけ君はすばらしかった。
私が今まで飼っていたペット達とくらべても君の味はすばらしかった。
涙を流して、やめてといったその口が私のモノを舐めてしゃぶって。
私が贈ったピアスごと小さな紅い実を噛んであげたらかわいい声をあげていたね。
あんまりかわいくて、白いよだれをたらしている君のソレに
もう一つピアスをつけてあげたら、涙を流して私にしがみついてきた。
ああ、本当に、君を息子に与えるのが惜しいよ。
さあ。時間だ。
お客さまがみえたよ。
ほら。あの中央を歩いているのが、私の息子だ。かわいいだろう。
彼が君の飼い主になるんだ。
美しい黒髪だろう?
亡くなった妻が東洋の血をひいていたからね。
陶磁の様な肌に薔薇色の頬をしているだろう。
君の褐色の肌と息子の白い肌が交わったらそれはすばらしい絵画のようだろうね。
お客さまの見守る中で、息子は初めて男を知るんだよ。
お客さまは皆、私の息子が君をしつけられるか、
一人前の飼い主となるか、見届けてくださる。
私の後継者として私の跡がつげるかどうか、見届けるんだ。
息子は君のその柔らかな尻を味わってしまったら
他の者に興味を示さなくなるかも知れないね。
最初のペット次第で飼い主の成長もかわるのだから。
君も息子に可愛がってもらえるように心掛けなくてはいけないよ。
息子のモノを優しく銜えて最高の味を味あわせてあげておくれ。
人が人を飼う、男が男の尻で快感を得る事が、私達にとって当たり前なのだと。
息子が飼い主となる事を素直に受け入れる事ができるように。
君のペットとしての最初の仕事だ。
それが、あの田舎町でみじめに暮らしていた君を救い出してあげた
私への恩返しだよ。
まあ、息子はまだ子供だからね。
君を満足させられるようになるにはまだ時間が必要だろう。
もちろん、君が息子を満足させるにはまだ知識も技術も足りやしない。
私も仕事で家を空ける事が多いが、できるだけ君にしつけをしてあげよう。
君はまだ鈍く光る原石だけれど、私が丹誠込めてみがいてあげよう。
なにしろ君には素質があるからね。
息子が一人前になる頃には君もすばらしいペットになっていることだろうね。
さあ、泣くのをやめて。
最高の笑顔で息子を出迎えておくれ。
パーティがはじまるのだから。
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