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分厚い雲に月明かりも遮られた真夜中に、セトは堅牢な石塀の前に立っていた。
カザスの町のこの一角には国でも五指にはいる貴族ゲルト家の屋敷がある。
当主のリチャードは国王軍の精鋭シトワ部隊の指揮をとる名将でもある。
セトは軽やかな身のこなしで石塀をよじ登り敷地内に身を躍らせた。
草むらに着地しあたりを伺う。
ここには大型犬が何頭も飼われている。
侵入者があれば、すぐに駆けつけて襲いかかってくるところだが、今頃は昼間にセトがしこんだエサを食べて小屋の中で眠っているのだろう、姿を現さなかった。
方々に待機している護衛兵たちの行動パターンもしっかり調べ上げている。
今なら大丈夫。
顔をつきあわせることはないはずだ。
セトは屋敷の裏手に回りこんで、目を付けていた侵入口にむかう。
それは使用人達が寝泊まりしている一角で、本邸入口より比較的楽に入り込める。
そこから侵入し、彼はいくつもの廊下を通りすぎ屋敷の一番奥まった箇所にある部屋の前にたどり着いた。
ここに、彼が求めていたものがある。
この一年近く、彼が手にしたいと願っていたものがこの部屋にあった。
鍵のかかった扉はセトの手で苦もなく開いた。
灯りを落とした部屋の中にセトは入り込んだ。
部屋は二間続きになっている。
豪華な調度品でしつらえられた中を足音を殺してすすみ、奥の部屋へと続く扉に手をかけた。
鍵はかかってはおらず、音もなくそれは開く。
部屋の半分を占める大きなベッドに小さな書き物机、壁の小振りな作りの暖炉はまだ火種がくすぶっている。
セトはベッドに近づきのぞき込んだ。
ブロンドの髪がいくつも重ねられた枕の上に広がっている。
目を閉じぐっすりと眠り込んでいるその顔を、セトはじっとみつめた。
あの日、わかれてからずっと、一日も脳裏から消え去ることのなかった顔だ。
手を伸ばして髪の毛を一筋指に絡める。
「…ん」
と声がし、わずかに身じろいでその眼がゆっくりと開く。
のぞき込むセトと視線があった。
その瞳は、信じられない、といった表情でセトを見つめ返す。
「セト・・・?」
セトは、ああ、と頷くと、身をかがめて唇に口づけた。
「あいたかったぜ、ルゥディ」
セトが目指した宝が、にっこりと微笑んだ。
お互いの存在を確かめるようにひとしきり抱きしめあった後、セトはルゥディの手をとった。
最後に抱いた時より一回り小さくなったような、華奢な少年の身体をしっかりと胸元に引き寄せて、セトはいった。
「ここを出るぞ。ルゥディ。いっしょに行こう」
セトの言葉にルゥディは悲しげに頭を左右に振る。
「無理です、セト。あれから警備も厳しくなっていますから…」
「オレは、誰だ? ルゥディ」
「セト…」
「大盗賊のセト様、だろう」
口の端を引き上げてにやりと笑う。
「このセトが、ゲルトのお宝を奪いにきた。今度こそ、盗み出してやる」
なおも躊躇うルゥディの唇に口づける。
深くあわせて柔らかい感触を久しぶりに味わう。
ルゥディも自分から口を開いて差し入れられてきたセトの舌を受け入れる。
「…はふぅ、んん…あ」
唇が離れるとルゥディは切なげに息をはいた。
セトの指がリネンの寝間着の胸元をかき分けてルゥディの胸元に入り込み、そのしっとりと吸い付くような肌をまさぐる。
唇は頬から耳元へ移り首筋をたどっていく。
ルゥディの下半身を覆っていた暖かな羽毛の上掛けをずらして、むき出しになった太股に指を這わせる。
身体の奥からわき上がってくる甘い感覚に、ルゥディはセトの背中に腕を回してしがみつき、白い足はシーツをかき乱してゆく。
「あ…ぁう…セト、セトぉ」
せつなげにセトの名前を呼ぶ。
内股をはい上がった指がルゥディの股間に触れた。
下着をつけていないルゥディのそこは、セトの愛撫ですでに頭をもたげている。
セトはそれを心得た所作で高めはじめた。
「うふぅ…あ、あ セ、セトっ」
はあはあと、息をつくルゥディの耳元にセトが
「…すこし、大きくなったんじゃないか?」
と、ルゥディのそれを弄びながらささやき息を吹き入れる。
その言葉に、ルゥディはいっそう頬を赤らめて身じろぎ
「…わ…わたしも、おとなになりましたから…」
と、消え入るような声でこたえる。
「くっ…、そうか、大人になったのか」
ルゥディの答えにセトは笑った。
セトの手の動きがリズミカルになり、それにあわせてルゥディの口から漏れる声も途切れることがない。
言葉には出さないが「もっと擦って」と太股でセトの腕をしっかりと挟み込み、自分から腰を揺らしてせがんでいるようだ。
やがてルゥディの肩がひくりと大きく動き、しがみついたセトのシャツをかき寄せて顔をこすりつけ、あえいだ。
「あッあ…ッ あふっぁッ・・・ セトっセトっ、も、だめ。だめですっ」
「いっていいぜ、ルゥディ」
先走りがこぼれている先端をつま先でえぐると、ルゥディの身体が一瞬硬直して、
「いく、イくッ」
と小さく叫ぶと、身体をがくがくと震わせてセトの手の中に精を放った。
射精した後の脱力感と甘いしびれを全身に感じ、ルゥディはセトの胸に体重を預けた。
セトは精液がまとわりついた指をルゥディの目の前で動かし、その粘りけのある白い液をみせつけて、
「…たしかに、大人になったな。こんなに濃い…べとべとだぜ」
と、羞恥で眼を伏せるルゥディの口元に運んだ。
ルゥディは素直に口元をゆるめて、自分の放った精液を舌でなめはじめる。
目元を紅くそめたその表情と仕草は、セトの情慾をさそうのに充分すぎるほどだった。
いますぐ目の前の少年を抱きたいという衝動を、セトは押さえ込み、口に含ませた指をぬきとると、もう一度深く口づけてから、
「続きは、ここをぬけだしてからだ」
とルゥディにいった。
「おまえが、イき狂っちまうまで抱いてやる」
下卑た言葉を口にしながらも、セトの眼は真剣みを帯びている。
今度はルゥディもためらわなかった。
「わたしを、離さないでください、セト」
「オレは、大盗賊のセト様だぜ。こんな屋敷、簡単に抜け出してやる」
セトはそういうと、口の端を引き上げて、笑った。
自信に満ちた笑いだった。
身繕いをしたルゥディの手をひいて、セトは部屋の扉の前にたった。
「いくぞ。ルゥディ、オレの手を離すな」
握りあった手に力を込める。
セトはゆっくりと扉を開いた・・・・・・・・・。