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オリジナル/短編集/家族の肖像シリーズ 第2話 page2



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お兄ちゃんの部屋から、にゃんこの声が聞こえる時は、絶対にお兄ちゃんの部屋に近づいたらダメなんだ。
パパがお兄ちゃんと、大切な事をしてるから、近づいたらパパにすごく怒られる。
新しいお義母さんが入院してからずっと、お兄ちゃんは『にゃんこ』になってる。
土曜日は、パパもお仕事お休みでおうちにいるから、お兄ちゃんが夕方クラブ活動から帰って来たらすぐ、二人でお兄ちゃんのお部屋に行っちゃうんだ。

 そんなとき、ぼくは、一人でお夕飯を食べて、テレビをみたり、ゲームをして、時間をつぶすんだ。
だって、ぼくのお部屋、お兄ちゃんのお部屋のお隣なんだもん。
お部屋にいると、お兄ちゃんのにゃんこの声が聞こえてくるんだもん。
初めてにゃんこの声を聞いたときは、お兄ちゃんの声って気がつかなかった。
だって、高校生のお兄ちゃんが、あんな声をだすなんておもわないもん。

でも、パパと一緒にいる時のお兄ちゃんは、にゃんこみたいな、女の子みたいな声を出すんだって、あの日わかったんだ。


あのとき、パパがお兄ちゃんをいじめてる、って最初は思ったんだ。
でも、違うんだって、後でパパが説明してくれた。
お兄ちゃんは、パパに甘えてるんだって。
お兄ちゃんは、お義母さんの前のだんなさんの子供で、お兄ちゃんがぼくくらいの頃に、事故でお父さん死んじゃったんだって。
パパとお義母さんが結婚するまで、お義母さんはお兄ちゃんを育てるために、いっぱいいっぱい働いてたから、お兄ちゃんはずっとひとりぼっちだったんだって。
パパが新しいおとうさんになったから、いままでお父さんに甘えられなかった分、甘えてるんだって。
ぼくも、ママとパパが離婚して、お義母さんがくるまで、すごく寂しかったから、お兄ちゃんがパパに甘えたいっていうのわかるんだ。
だって、ぼくはママに会えるけど、お兄ちゃんのお父さんは死んじゃって会いたくても会えなかったんだもんね。


だけど、パパと一緒に居るときのお兄ちゃんは、いっつも泣いてるんだ。
いつも、にゃんこの声で、泣いてるの。
パパは、お兄ちゃんをはだかにして、お尻を叩いたり、今日みたいにロープでぐるぐる巻きにしたりして、泣いてるお兄ちゃんを見て笑ってるの。
お兄ちゃんは、ごめんなさい、っていっつもパパにあやまってる。
どうして、あやまるの? 甘えてるのになんで泣くんだろう。
お兄ちゃんは悪いことしたのかな。
だからパパはお兄ちゃんを怒って叩いたりするのかな。

考えてもぼくにはぜんぜんわかんなかった。



 この間、お夕飯の後、ぼくとお兄ちゃんがゲームをしてたら、ソファでビールを飲んでたパパがお兄ちゃんを呼んだ。
お風呂に入るからおいでってお兄ちゃんだけ呼んだんだ。
ぼくも一緒に入りたかったけど、パパが、だめだって。
 お兄ちゃんはゲームしてるから、後ではいります、って言ったけど、パパはお兄ちゃんのコントローラーを取り上げて、ぼくの前にぽいって放り投げた。
そしてお兄ちゃんの手を掴んで引っ張り上げた。
お兄ちゃんが、痛いっ、はなしてくださいって小さな声で言ってたみたいだったけど、その後すぐ静かになった。
 お兄ちゃんの戦闘機はしばらく飛んでたけど、バーンって音をたてて敵に爆弾ぶつけられて地面に落ちちゃった。
「あ〜あ、せっかく点数すごかったのに、ざんねぇんお兄ちゃん」
って言いながら、ぼくがお兄ちゃんの方を見たら、パパがお兄ちゃんのほっぺたを両手で持ってお兄ちゃんの口と自分の口をくっつけてた。
口と口があたってるあいだから、ちらちらっと紅いかたまりが動いてるのが見えた。
「…!んんっ」
お兄ちゃんは、ぼくの方を何度か見てた。ぼくと目が合うときゅっと目をつむった。
お兄ちゃんはパパの手首をにぎって、ほっぺから腕を外そうとしてた。頭も、もぞもぞ動かしてパパの顔から顔をはなそうとしてるみたいだった。
「んっ んふぁ、やめっ、て…うぅ」
パパの手首をにぎって、ぐい、ぐいってひぱったりしてたけどパパは全然平気みたい。
急にお兄ちゃんにつかまれた手をほっぺたから離すと、あっという間に今度はパパがお兄ちゃんの手首を掴んで自分のズボンの前に押し当てたんだ。
「……! あぅ…んはぁ」
お兄ちゃんの両目がぱちっと開いて、顔がいきなりぱぁああっと真っ赤になった。
 パパがやっと口を離して小さな声でお兄ちゃんに
「欲しくないか?」
って言いながら、お兄ちゃんの手をもぞもぞと動かした。
「あ、ああ、あの、んん」
パパとお兄ちゃんだけわかる秘密の言葉がいっぱいあって、これもそうだ。
何が欲しいのか、パパの言ってることぼくにはわかんなかったけど、お兄ちゃんにはちゃんとわかってるみたいだった。
 パパの肩に頭をくっつけて、お兄ちゃんは苦しそうにはぁはぁって息をし始めた。
パパの手はもうとっくにお兄ちゃんの手首をはなしてたけど、お兄ちゃんはずっとパパのズボンの前を手のひらで触ってなでなでしてる。
「ん、んぅ…ほし……くな、い」
「そう? そうは思えないけどね」
パパはおもしろそうに、クスクス笑いながら、お兄ちゃんのシャツをズボンからひっぱり出した。
「私はお前のここが欲しいね」
パパの両手がお兄ちゃんのズボンのお尻に回って、ぎゅっぎゅう、って、にぎった。
「は、……あっ! あう!」
お兄ちゃんの声が、にゃんこの声に変わってきてた。
にゃんこの声はパパに甘えたい時のしるしで、この声になったら、お兄ちゃんを見ちゃダメなんだ。
お兄ちゃんは甘えん坊で恥ずかしがり屋だから、甘えてるところをぼくに見られるのはイヤなんだって、パパが言ってたんだ。
じゃぁ、ぼくの前で甘えなくてもいいのにって思うよね。
いっつもみたいにお兄ちゃんのお部屋で甘えればいいのに。
 
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オリジナル/短編集/家族の肖像シリーズ 第2話 page2

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