ドラパロ/幼馴染み
おもいきり、両手で頭を捕まれた。
そのまま、強引にボクの頭を動かす。
喉奥まで、彼のペニスが突き入られてボクは息ができずにむせこんでしまう。
ここは、ボクの部屋。
窓の外には夕焼けが広がっている。
ベッドには彼が座り、その前に跪いて彼の股間に顔を埋めているボクがいる。
頭を抱え込まれ激しく前後に揺すられる。
逃れようとしてもがくけれどそれはかなわず、ボクは苦痛に耐えるしかない。
ピッチをあげた彼はやがてボクの口へ白濁した液をぶちまける。
「飲めよ。こぼすなよ。」
ボクはむせかえりながらも苦みを嚥下する。
いつからだろう。
おさななじみのボクたちが、こんな関係になったのは。
本命の私立高校受験の試験前日。
ボクは彼に裏山に呼びだされた。
彼の気まぐれはいつものことで、適当にあしらって戻ろうとボクはのこのことでかけて行った。
そこでボクは殴られ、押さえ込まれ、有無を言わさず尻に屈辱のしるしをねじ込まれた。
ボクは、体からはぎ取られた下着を口にねじ込まれ声を出すこともできず、なぜ、こんな目に遭うのかもわからないまま、ただひたすら、からだを二つに引き裂くような衝撃に耐えるしかなかった。
傷つき血がつたうボクの尻に、彼は力任せにペニスを打ち込み、爆発させた。
体の奥に何かが逆流する感触がひろがり、ボクは声にならない悲鳴をあげた。
おまえ
俺と違う学校を受験するんだってな。
そんなに俺から離れたいか
生意気なやつ。ガキの頃からおれの家来だったくせに。
おまえは俺にしたがってりゃいいんだ。
おまえはおれのもなんだよ。
叫ぶような彼の言葉を、意識を失いかけたボクは聴いた気が・・・・・した。
家にどうやって戻ったのかは覚えていない。
試験当日ボクは熱を出し、それでも受験した試験は見事に玉砕した。
絶対合格間違いなしと太鼓判を押されていた私立に落ちて、ママは青ざめ、ボクは本当の理由もいえないまま、浪人だけはやめてちょうだい、というママの言葉に背を押され、不合格通知後唯一実施された私立の男子校の二次募集を受験してなんとか進学することができた。
そこは、彼がスポーツ特待生として入学を決めていた学校だった。
あの日から、ボクは彼のいう「家来」になった。
彼の気分次第で、ボクの部屋や、小学生の頃みんなで遊んだ裏山で、ボクは力で押さえつけられセックスを強要された。
それを「家来」のボクには拒むことはできない。
表面上は今までのようにおさななじみの二人のまま、季節はかわり、僕たちは高校二年になっていた。
「んあ・・あっ」
ボクの胸の両の突起を彼の爪がつねり上げる。
ボクは痛みに耐えられずに声を上げ現実に引き戻された。
ボクはベッドに仰向けに押し倒されていた。
前開きのシャツをはだけて、下半身には既になにもつけていない。
床にはぎ取られた服や下着が散らばっている。
彼はボクの体にのしかかり上半身を思う様傷つけ痛めつける。
唇をかみしめて、彼の愛撫とは言い難い指の動きがもたらす痛みに耐えていたボクの耳に、カシ・・ッ・・と机の上のグラスの中の氷同士が、とけかけ擦れあうかすかな音が聞こえる。
ママが息子の大切なオトモダチのために用意した手作りの菓子や飲み物が、手もつけられないまま机の上に放置されている。
昔はガキ大将でならした彼が、ボクの家に頻繁に出入りするのを、ママは最初いいかおをしなかった。
けれど、彼がスポーツ特待で入学早々抜群の成果をあげ、インターハイや各地の競技会で好成績をモノにしだすと、ボクが見ても滑稽なほど態度が変わった。
今日だって、休日に突然家を訪ねてきた彼にいやな顔ひとつしなかったし、パパのお客様にしか使ったことのない大事な切り子のグラスを彼のために使ってる。
ほんとに、武くんはりっぱになったわねぇ。
こんど、国体にでるんですって
うちの子は体力がなくてねぇ、
武くんにきたえてもらわなくちゃ。
これからもこの子と仲良くしてね、
武くん。
強化選手の候補になっただけですよ、おばさん。
ええ、明日から合宿に合流の予定です。
このところ練習続きで。
授業についていけなくなりそうなので、
彼に教えてもらってます。
・・・・もちろんですよ。おばさん。
おれたち幼なじみなんですから。
小学生の頃の面影が感じられない程、大人びた笑顔で答える。
夕飯たべていってね、とママが言い残し、名残惜しそうに部屋を出ていくのをドアの側で見送るとそのまま内鍵を掛け、ボクの方を振り返る。
「なかよくしようぜ」
そういった彼は、尊大な征服者の顔をしていた。
体をひっくり返される。
犬のように四つん這いになれと彼が言った。
のろのろと、体を持ち上げ獣の姿勢になる。
三本の指でさんざんなぶられ広げられ、しびれが走る尻を彼のペニスが入り口を探るように数回かすめ、狙いを定めると、ずぶと貫かれた。
・・・ひあっ
何度となく彼の大きなモノで貫かれているのに、いまだに慣れることはなく、痛みだけがボクを支配する。
自分の快感だけを貪ろうという自分本位な激しい動きによって与えられる痛みにボクは耐えられずに両腕を折り、顔をべッドに押しつけた。彼の動きにシンクロして短く激しく繰り返し息をつく。
・・いたぁぃいっ・はゥ・くっ・・・あァッ・・
いっ、痛いっ・あっ
あまりの痛みにボクはやめて、と懇願する。
背後から髪をぐいと捕まれ引っ張られ、
「そんなに声をたてると、おまえのママに聞こえるぜ。それともママに見られた方が、燃えるって? おれはいいぜ。ほら、声、だしな」
彼はボクの中を容赦なく、ぐちゃぐちゃに突きまくる。
あひっ・・・あ・ああッ・
ボクの口から悲鳴が漏れる。
ママにきこえる いやだっ こんな姿見られるなんて
ボクはシーツを噛み締め悲鳴を押し殺すしかない。
窓の外はすっかり日が落ちている。
ブラインドすら降ろしていない窓ガラスにボク達の姿が映りこむ。
つながったまま彼の膝の上に引き上げられ、彼の首に腕をまわし、しがみついているボクの姿。
くちゅくちゅとお互いの舌がからみあい、流し込まれる唾液を次々と嚥下する。
彼の腹でさんざんこすりあげられているボクのモノの根本には紐がきっちり巻かれていてボクが達するのをせき止めている。
彼はいつも自分より先にボクがイクことを許さない。
痛みが、何か別のモノを誘発し始める。
じわじわと、体の奥をはい上がっていくソレがボクの体を包み込み支配する。
それをもっと感じ逃すまいとボクは腰をくねらす。
「いくぜ。中に全部ぶちまけてやる」
耳元に吹き込まれる言葉。
ぞくんっ。と背中に快感が走る。
ボクは息をのんで最後の突き上げを受け止めた。
玄関先で靴を履き、彼はママに日焼けした笑顔を向ける。
さっきまでボクをなぶっていた時とは別の顔をした彼がいる。
まあ、夕飯食べていってねっていったのに、武くん。
明日の準備があるので。すいません、おばさん。
合宿が終わったらまた、おじゃまさせてもらいます。
ボクは壁にもたれるように立ち、ママと彼の会話をぼんやりと聴いていた。
体の奥を支配する感覚にまっすぐに立っていられない。
ママは知らない。
ボクが、なにをしていたのか。
彼の・・・・男の、ペニスをしゃぶり、尻を差しだし銜えこんで・・・
あえいで・・・・よがって・・・・もっと、もっとと、ねだって。イカせてくれと懇願して・・・・・。
彼がそそぎ込んだものがこぼれ太股に伝わっていく感触にぶるっと身を震わせる。
全身に欲望の残滓がこびりついているようで、はやくこの場から離れたかった。
「じゃぁな。また。」
彼はボクに片手をあげて声を掛け、ママに頭を下げると帰っていった。
気分が悪いとボクは夕飯を食べずに自分の部屋へ戻った。
明かりもつけずに、乱れたべッドにばたりと倒れ込む。
素肌に直接履いていたパンツの前を開き、紐でくくられたぺニスを両手で包み込む。
今日もまた、彼はボクをイカせてくれなかったから、ボクのそれはもう耐えられないほどになっている。
ボクは目をとじ、せわしなく指を動かす。
いつの間にか、さっきまで体の中をおもうさま暴れ回っていた彼を思い浮かべている。
動悸が早くなる。
紐に遮られたボクの高まりは、彼のものを思い浮かべたとたん、限界に達した。
ふるえる手で縛めをとくと、ボクはようやく解放された。
これが、暴力で始まり、強要されたもので、なけなしのプライドが、それを世間に知られるのを拒否しているから、この関係を裁ち切ることができない。
そんな風に言ってしまうのは簡単なこと。
でも、それは・・・・嘘だ。
体を襲う暴力や恐怖よりも、それによって生まれる快感が、ボクをとらえてはなさない。
彼の熱い高まりがボクを貫く、その瞬間を嫌悪しながらも待ちこがれている。
いつまで、続くんだろう。
いつまで、続けるんだろう。
もう、引き返せないんだ・・・・・・
ボクは、闇に取り込まれた部屋の中で、そう、つぶやいた。
ドラパロ/幼馴染み