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神観諒様作・「僕の中のあいつ」より/ボクのこと、好き?
「おにいちゃん、ボクのこと、飽きちゃった? 」
「なんだよ、いきなり」
僕がマグカップをふたつもって台所からもどってくるなり、大きめのトレーナーから小さな肩を覗かせた優が僕に問いかける。
寝乱れたシーツの上にちょこんと座り込んだ優は、砂糖とミルクをたっぷりといれたコーヒーのはいったカップを両手で受け取ると
「だってさ、大好きなおかずだって毎日、毎日、まーーーーいにち続くと飽きちゃぅじゃない」
そういって小さな口をとがらせる。
…大好きなおかず…って…おもいがけなくも、ストレートな例えに僕は思わず吹き出した。
「もぉ! 笑わないでよ。まぢなんだよ、ボク」
幼いながらもいっぱしの大人の口調で優は続ける。
「だからぁ、明兄ちゃんが、ボク以外の…、美里や美幸とね、せっくすしてもボクはいいんだ」
そのあとで小声で「ほんとは、ヤだけどさ」とぽそっとつぶやくのを僕は聞き逃さない。
「たまにはちがう味もためしたら、いつものおかずも美味しくなるもんね」
どう? 大人でしょ、といわんばかりの優の言葉に、僕はかわいいなぁと思いつつもちょっと意地悪をしたくなる。
「そか・・・優は僕にあきちゃったんだね」
座っている回転椅子の背もたれに背中をあずけて、ふぅ〜と、わざとらしくため息をついてみる。
「毎日、毎日、まーーーーいにち、僕が優とセックスするから、優は飽きちゃったんだね」
湯気のたつマグカップに視線をおとす。
「優があきちゃったんなら、いいよ、しばらくセックスするの、やめよう」
挽きたての香ばしい香りが鼻孔をくすぐる。
「優の言う通り僕は美里や美幸とだけセックスしようかな。優も他の人とやればいいよ」
優の表情を盗み見る。
ただでさえ大きなひとみを、こぼれそうなくらいに見開いて口をぽかんと開けている。
「たまには、違う味もためすと新鮮でいいかもな」
僕がそこまで言ったところで優が叫んだ。
「ダメぇッ!! だめだめだめっ!!」
勢い良く立ち上がり手持っていたマグカップをシーツの上に放り投げ、椅子にすわった僕に抱き着いてくる。
後ろが壁だったからよかったものの、そうでなければ僕はその勢いで後ろへ倒れていたかもしれない。
「なんでそんな意地悪ゆうの、明兄ちゃんはボクだけのなんだからねッ」
僕の手からマグカップを奪うと床に投げ捨ててしまう。
「お兄ちゃんもボクだけなんだ。美里や美幸としてもいいけど、ほんとに好きなのはボクだけでしょ?」
ちゅっちゅっと僕の口にキスを繰り返しながら優は僕にしがみつく。
僕は優の躯を引き寄せて膝の上に抱え上げ、優の腰に腕をまわして力を込めて抱き締める。
優は両足を椅子の背もたれごと僕の背中に巻き付けるように絡めてくる。
素肌に僕のトレーナーをつけただけの優のむき出しの下半身が僕の腹に擦り付けられる。
僕は、優の頬や額や鼻の頭にくちづけして、
「優が、飽きたなんてバカなこと聞くから」
め、っと顔をしかめる。
「だって、だって、だって、テレビでいってたんだよ、同じ人とせっくすしてたら、飽きちゃうって、飽きたら浮気してしげきをうけたらまた燃えてくるって」
…おいおい、優、んなもん真に受けるなよ…。
「だから、お兄ちゃんが浮気してボクの知らない人とエッチするくらいなら、それならボクの知ってる人の、美幸とか美里の方がいいとおもったんだもんっ」
優は優なりに考えたってことか…かわいいなぁ、ほんとに。
「じゃあ、飽きちゃわないくらいすごいセックスしようか、優」
優の躯をかかえたまんま椅子からたちあがり、シーツの上に転がったマグカップを足ではらいのける。
コーヒーの染みをさけるように優の躯をその上にねかして覆い被さった。
「お兄ちゃん、ボクのこと、好き? 」
両手をのばし僕を迎え入れる優の言葉に
「大好きだよ」
と僕は答える。
優のはにかんだ笑顔がとてもまぶしくて、愛しかった。