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オリジナル/鏡像恋愛 いつもの場所



 人通りの途絶えた夜の公園の公衆便所脇の暗がりの中にたくましい下半身を外気にさらした草薙慎一郎が禿げた芝生の上に横たわっていた。
慎一郎は頭の上にひきあげられた両手首を荒縄で縛り上げられ、道路と公園を隔てる金網に固定されて上半身の自由を奪われている。

 手入れされた黒髪が乱れて顔にかかり、俺に殴られて傷ついた口元の乾きかけた血のりに幾筋もはりついている。
肛門に指入れられて前立腺を刺激され、俺の手で擦りあげられたペニスはぐんと量感を増して天を向いてひくひくと動いている。
 空には雲が厚く広がっている。
公園内の灯りはすべておとされていて道路の街路灯がちかちかと瞬いているだけだ。
この公園で俺たちは何度か愛し合ったことがある。
それはこんな夜だったり、子供たちが遊ぶ昼間にこの便所の中で声を殺して抱き合ったこともあった。

 いつもの慎一郎なら俺にこんなことはさせない。だが今日は別だ。
俺は慎一郎の腹の上に馬乗りになり、引き締まった上半身に指を這わせる。
指先が触れるか触れないかの微妙なタッチで動かしていく。
俺に体中を撫であげられて、慎一郎の噛み締めた口元から小さくうめき声がもれる。
硬くしこった乳首に触れると、慎一郎のペニスがひくりと動き俺の尻にあたる。
 俺は身体を倒して慎一郎と向かい合う。
慎一郎は顔を背けるが俺は顎を掴んで引き戻した。
噛み締めた唇に親指をはわせて滲んだ血をぬぐい取る。
 慎一郎の顔の横に肘をついて耳もとに口を寄せる。
「飼い犬に噛まれたって思ってる?  俺がこんなことするなんて思って無かった? 」
「馬鹿が」
 この場所に来て初めて慎一郎が口をひらいた。
ふいをついて慎一郎を殴り倒し用意しておいた荒縄で腕を縛り上げた時からずっと無言だった慎一郎が、今初めて俺に向かって口をきいた。
「見て」
 と俺は身体をおこしてパンツのジッパーをおろしてペニスを引き出した。
「早くあんたに入れたくて、こんなになっちゃってる」
 先走りが滲んだペニスをさすりながら慎一郎に見せつけるように膝立ちになった。
慎一郎の脇の位置まで身体を寄せると
「ねえ、しゃぶってよ」
俺は慎一郎の硬くひき結ばれた口元に先端を擦り付けた。
 慎一郎が素直に口を開けて銜えるわけはなかった。俺は唇や頬を先端でなぶり、もう一度口元へ運ぶ。
「しゃぶってくれないんだ」
びたびたと音をたててペニスで唇を叩く。
「無理矢理押し込んじゃってもいいんだけどサ、俺って紳士だから」
 そう言って俺は慎一郎の顔に背を向けるように体の位置を変える。
そして自分のペニスと慎一郎のペニスを両手に併せ持って二つを擦りあわせた。
ぐちゅぐちゅと濡れた卑猥な音をたててお互いのモノを刺激する。
「気持ちイイ? 」
 俺は慎一郎の睾丸を揉みしだく。背後から慎一郎の抑えた呻き声が聞こえてくる。
振り返ってみると、慎一郎は両目を閉じていた。心なしか目元が紅く染まっている。
俺は慎一郎のペニスだけを嬲ることにして片手を離して慎一郎の乳首に指を伸ばした。
 俺の尻の下の慎一郎の鍛えられた腹筋が俺の嬲る動きにあわせて上下している。
慎一郎のペニスも俺の手の中で高まっていく。
 俺はそれを確かめると乳首を刺激していた手を離して尻ポケットから慎一郎の腕を拘束したのと同じ荒縄を取り出した。
束にした縄を慎一郎の胸にこすりつけると、ようやく慎一郎が目をひらいた。
「なにがしたいんだ」
 慎一郎が眉をひそめる。
「こんなんでイっちゃったら、あんたもつまんないよね」
 脈動を繰り返す慎一郎のペニスの根本を荒縄で縛り上げた。



 慎一郎の太股の裏に手を置き押し開いた。
片方の太股の上に膝をのせて動かないようにする。
空いた手で唾液をなすりつけた自分のペニスをつかむと慎一郎の尻の陰りの部分に押し当てた。
先端を持ち、その入口の狭い門を狙いすますとゆっくりと力を込めて侵入していく。
 初めて慎一郎の中にペニスを埋め込む行為に俺は胸が高まる。
興奮のあまり根本まで押し込む前に思わず暴発しそうになって、落ち着こうと空を仰いだ。
 雲の切れ間から月が顔を出した。月明かりに慎一郎の体が浮き上がる。
俺を抱きしめて何度も啼かせたたくましい体にうっすらと汗を浮かせている。
俺はぐっと体を寄せてペニスを根本までのみこませた。
ペニスを包み込む肉壁の熱さにぶるぶると全身が震える。
 俺がゆっくりと抽送を始めると慎一郎のペニスが行き場を失った高まりを抱え込んで腹の上ではねる。
俺は片足を肩に抱え上げて体重をかけのしかかり奥へ奥へと突き込んでいく。
「う・うぅ」と慎一郎の噛みしめた口元から声が漏れた。
ぎしぎしと手首を繋いだ金網が音をたててきしむ。
 俺は興奮していた。
目の前に愛しい男がいる。
14の時に慎一郎に出会ってからずっと、彼は俺の絶対者だった。
今の俺を作り上げたのはこの男だ。
 その慎一郎を俺は今、支配していた。
眉を寄せた目元が俺を睨め付ける。

慎一郎の目に俺は今どんな風にうつっているんだろう。
慎一郎は俺が乱れ悶える時の顔を好きだといった。
我を忘れて欲望に飲み込まれていく俺の顔が一番俺らしいと、笑ったことがあった。
慎一郎を喰らい尽くそうとしている今の俺はどんな顔をしているんだろう。

「しんいちろぉ」
 俺は何度も名前を呼びながら慎一郎の中を貪る。
びたびたと肉のぶつかる音が誰もいない公園に響く。
ちかちかと点灯する街灯がとうとう消えた。
真っ暗な中に月明かりだけが俺たちを照らしている。
 俺は大きく呻いて慎一郎の中に思い切り精を吐き出した。腰を振って最後の一滴まで中に注ぎ込む。
それから慎一郎のペニスを括りあげた荒縄をほどいた。そのとたん慎一郎のペニスも白濁液をほとばしらせた。
慎一郎が荒い息をつきながら俺に
「満足したんだろう」
両手を動かし「もうほどけ」と言った。
「まさか」
 俺は慎一郎の中のペニスを再び動かしながら口唇をぺろりと嘗めた。
「あんたが、俺を欲しくて堪らなくなるまで続けるさ」
そう、まだ、まだだ。
愛しくてたまらないこの男を、次はどんなふうに愛してやろう? 
「慎一郎、あんたが好きだよ」
俺は最高の笑顔で慎一郎に囁いた。




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イラスト  三乃梅あふろ様
文 瑞生
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