オリジナル/短編集/オレ達の場合
はっぴーばーすでーオレ! 17歳おめでとう! オレ。
え?なにをそんなにうかれてるかって?
今日はオレ佐々木勇太の17の誕生日。
うざったい中間考査も終わっちまったし、おまけに今、オレの腕の中には剣道部の先輩古川サンがいるんだ。
これが浮かれないでいられるかってんだ
先輩とオレがこんなに『仲良し』になったのは一年くらい前からだ。
先輩の方からオレに声をかけてきたんだよな。
オレは学区内でもけっこうかわいい女の子がそろってるって評判の共学に通ってるくせに、そっちにはまったく興味がむかなくてさ。
まあ中学の頃には『オレって男の方が好きかも』って自覚してたし、古川先輩は本人にはその気がなくても周りには女の子がむらがってるってくらいのいい男だったから、先輩が声をかけてきたときオレは二つ返事で付き合う事にしたんだ。
やっぱり付き合うならルックスのいいヤツの方がいいもんな。
先輩に言わせると同好の士ってのは見ただけですぐにわかっちまうらしくて、剣道部の初日練習の時からオレに目を付けてたんだって、後で教えてくれた。
先輩との『おつきあい』は順調で、カラダの方の『おつきあい』もわりと早めにはじまった。
たださ、たったひとつ予想外だったのは……先輩がいわゆる攻めタイプだったってことかな……。
185センチのオレを頭一つ小さい先輩がヤるんだぜ。
外見だけでいうとオレの方が絶対『タチ役』ってかんじなんだけど、エッチになるとそれが逆転するんだよなぁ。
この学校は運動系の部活が盛んで施設とか他の学校より整ってる。
合宿で泊まり込みもできるクラブ部室棟にはシャワールームがあって、部活が終わった生徒がここで汗をながして帰宅できるってわけだ。
シャワールームは簡単な間仕切りがあって、それには、西部劇の酒場とかの入口にあるような扉がついてる。
床上50センチの位置から天井近くまで隠れる扉を閉めると中に入ってる人の膝から下がみえて、『使用中』ってことがわかるんだ。
クラブ棟ができた当初は、間仕切りだけしかなかったらしいんだけど、オレ達って銭湯なんて生まれて一回も行ったことなくて修学旅行で海水パンツはいて大浴場に入る世代だろ。
フリチンでぶらぶらさせながら野郎ばっかり並んでシャワーなんてこっぱずかしくて使えねぇよってことで、6年くらい前に間仕切りに扉がつけられたって話だ。
先輩はさ、ここでオレとエッチするのがすっげぇ好きみたいでさぁ……。
オレははっきり言ってエッチが好きだ。
先輩とエッチできるなんてすんげぇ嬉しくてたまんない。
でもなぁ、
「扉を閉めてシャワー全開だったら湯気に隠れて外からみたって二人でなかにはいってるなんてわかりゃしないよ」
って言って、周りに他の生徒がいようがお構いなしなんだよなぁ、先輩。
「ばれたらまずいよ」
ってオレが言っても、先輩は
「佐々木が声出さなきゃばれないって」
ってにっこり笑ってオレのアソコを背中越しに回した手でしごくんだ。
シャワーで頭からずぶぬれになりながら先輩のべろがオレのうなじや背中をねちょねちょはいまわって、先輩の指がオレの乳首をつまんでこね回すから、オレはタイル壁で身体を支えないと立ってられなくってさ。
オレの尻に先輩のアレがおしつけられて、それがすごく熱くてさぁ。
先輩がオレの尻を掴んで自分のアレをオレの中にねじ込んできたりしたら、もうわけわかんなくなっちまう。
先輩が腰を動かすたびに噛みしめた口から
「あうんッんんッ」
と音が漏れて、やばいってわかってても声がでちまうんだよなぁ。
この間なんて、先輩がオレの片足を抱え上げて正面から中につっこんできてさ。
先輩があんまり激しく動くから、オレ片足で体重支えられなくてふらふらよろめいて、思いっきりタイル壁に頭ぶつけちまって、目の前に火花が散って
「イっテぇぇっ」
ってでかい声あげちゃって。
先輩があわててオレの口を手で塞いだけど後の祭りでさ。
隣でシャワー使ってたヤツが
「何やってんだよ大丈夫か? 」
ってこっちとの間仕切りをどんどんと叩くんだ。
扉開けて中覗かれちまったら、先輩とオレがナニしてたのがばれちまう。
あわてて
「悪い、石鹸ですべっただけだ」
ってなんとかとりつくろったんだけど、声は裏返ってるし、息も乱れてるし、お節介なヤツだったらきっとこっちの様子を確かめようとして覗いてたかもしれない。
でも隣の奴はオレの返事を訊いた後はこっちのことには興味がなくなったらしい。
オレはほっとしたとたんタイルに背中を擦り付けながら床に座り込みそうになったんだ。
先輩があわててアレをずるりとひきぬいてオレを支えていた腕を離しちゃったから、オレは床に尻餅をついちまった。
先輩はオレの前にしゃがみ込んで
「痛かったか? 」
って濡れ鼠のオレの頭をぐしゃぐしゃにかき回した。
ぶつけた後頭部はまだずくずく痛むけど、それよりも途中で抜かれたアソコと、腹の上に乗っかってびんびんになったまんまのアレがもっとうずくんだ。
オレがそう言うと先輩は、投げ出したオレの両足を跨いで腰をおろして、オレのアレを片手で握った。
それからオレの手を取ると、オレと同じ様に堅くなったまんまの自分のアレを握らせて、オレのを擦りあげながら顔を寄せてキスをした。
「声あげちゃだめだろ」
そう言ってオレの口の中にべろをねじり込んできた。
先輩のべろがオレの口の中で動く。
オレも先輩のを舐め返して、手の中でびくびく言ってる先輩のアレをしごく。
シャワーの流れがオレ達の身体の上ではねてタイルの床に飛び散る。
頭からシャワーをかぶっているから目を開けてられない。
先輩の空いた手がアレを擦る手の動きと合わせてオレの乳首をつまんではじく。
オレは気持ちよくって声が出そうになるけど、キスで口を塞がれてるから、時々口が離れるわずかの間に
「んふっんうんん」
とため息を漏らすしかないんだ。
口の中から先輩のべろが抜け出ていくのをべろをめいっぱいのばして追いかける。
口の外でねちゃねちゃと先輩のべろと絡み合わせているとよだれが口から垂れて、シャワーの水滴と垂らしたよだれでオレの顔はぐちゃぐちゃになったけどそんなのかまっていられない。
先輩の手つきは最高で、オレは自分でやるときより感じてた。
尻で先輩のを受け入れるときの引き裂く痛みがない分、快感だけが先輩の手の中から生まれてくる。
先輩はオレのアレと自分のアレを擦り付けたりする。
擦りあわせた箇所がかぁっと熱を持ったみたいになってオレの頭ん中が真っ白になっていく。
お互いに擦り出してからまもなく、腰からずんずんと高まりがせり上がってきて、あっという間にオレは先輩の手の中に放ってしまった。
「…佐々木。早ええ。早すぎお前」
イってしまってぼうっとなって肩で息をついているオレに先輩はそう言った。
名誉のためにいっておくけどオレは別に早漏ってわけじゃない。
でもこのときはフリーフォールで地上落下するみたいにあっという間にイっちまったんだ…。
ほんとに、すっげえ気持ちよくって我慢なんてできなかったんだよ。
「俺、まだイってない」
と先輩はアレを握ったままのオレの指をはがして、オレの出したばかり精液をサオに擦り付けて自分で擦りだしたんだ。
膝だちになった先輩が目を閉じてゆっくりと腰を揺らしながら自分のをいじっている様子をぼうと眺めてたオレは、
「佐々木」
と名前を呼ばれてあわてて先輩の顔を見上げた。
先輩は口をきゅっととがらすと「ちゅっ」っと音をたてた。
そして顎で自分の股間を指し示して、にっと笑った。
オレに口でやれっていってるんだ。
オレはのそのそ起きあがると、先輩のアレを口の中に含んだ。
先輩のを口の中でしゃぶっていると先輩の手がオレの頭に伸びてがっしり掴んで揺り動かしだした。
先輩にいいように誘導されてオレは先輩のを夢中で吸い嘗め回した。
「お前、上手、うん、いいぜ佐々木」
先輩が目を閉じてうっとりとした顔でオレに囁いた。
体力と腕力ではオレの方が絶対に先輩には勝つ。
それでもこんな風に先輩にいいようにされて、オレも逆らわずにいるのは、このときの先輩の顔がたまんなく好きだからなんだ。
「佐々木」ってオレの名前を呼んで眉をほんの少ししかめてぷっくりとした唇を紅いべろがなめてさ。
先輩のきれいな顔、紅く染まって夢見心地の表情でイくんだよ。
これ以上ないって顔でね。
このときも、先輩はオレの口の中に思いっきり吐き出して、それでも足りないって感じで何回もオレの顔におしつけてさ。
オレも先輩のをこぼさないようにちゅうちゅう音をたてて吸って飲み込んだんだ。
先輩は本当にきれいだ。
試合の時に見せる厳しい顔とはちがう顔で見つめられるとオレはもう何でもします、させてくださいって感じでしっぽをふっちゃうんだよな。
でもずっと付き合っているうちに、先輩をやってみたいって思う気持ちが強くなってきちまった。
オレが先輩に掘られてめろめろになっちまうみたいに、先輩をやってみたい。
オレのアレを先輩の中につっこんでかきまわしたら、先輩はどんな風になるんだろう。
先輩の中はどんな感じなんだろう。
そう考えるとどうしようもなくなって、先月オレはとうとう先輩にいった。
先輩は最初すごくいやな顔をした。
オレは手を合わせてお願いするしかない。
ヤらせてください、お願いしますってね。
今考えるとすっげえなさけないけどさ。
先輩は土下座せんばかりのオレに最後には折れてくれた。
…条件付きでね。
今度の部内試合で先輩から一本とったら一回だけやらせてもいいって。
きびしいよなぁ。その条件。
先輩、部で一番強いんだぜ。
なにしろ有段者の部活顧問の先生とやっても簡単に一本とらせないんだ。
だけど煩悩のなせるワザというか、火事場の馬鹿力というか、人間本気になったらすげえよ。
オレ、勝っちまったんだ。
奇跡はおきるよな。神様だっているのかも。
オレの17歳の誕生日に、オレは先輩とおデートする約束を勝ち取ったんだ。
もちろん、その日はオレのリードでオレのいいようにできるんだぜ。
そして、その待ちこがれたバースデーが今日ってわけ。
誰もいないオレと先輩だけの学校の屋上で、オレは先輩を転倒防止の背の高いフェンスに押しつけてキスをした。
制服のボタンをもどかしくはずして、カッターシャツをズボンから引き出して直接肌に指を這わした。
いつもやられるばっかりで、やったことはないから先輩がいつもオレにする通りにトレースする。
「佐々木ぃ……一回だけだぞ」
先輩はオレの手の動きにくすぐったそうに身をすくませていった。
「それは、先輩次第っすよ」
オレは先輩の耳朶を咬んで返事を囁く。
「オレが一回で満足できたらいいんです。でもそうじゃなかったら満足するまでやりたおします」
だって、オレのバースデーは今日一杯ですからね。このまま学校に居残ってやりまくったっていいわけでしょ、と先輩のズボンのベルトを外して言葉を続ける。
ズボンをずらして、パンツの上から先輩のアレを握ると先輩は頭をフェンスにこすりつけて「うン…ン」と声を上げた。
日が傾いて空が紫色に染まっている。
ああ、こんな風に空なんてずーっと見たことなかったなあ、なんて屋上の冷たいコンクリの上に仰向けに寝そべって空をながめた。
その視界を遮るように先輩のお尻がオレの目の前でゆらゆら揺れている。
先輩はシャツだけを羽織った格好でオレの上に四つん這いでまたがって、オレのアレをせっせとしゃぶっていた。
オレは空を眺めてたそがれるのをさっさと切り上げて、先輩の尻の穴を指で穿る行為を再開した。
先輩の尻の穴はすごくせまくて、一本の指を差し込むだけできゅうと締め付けるんだ。
なんだか、処女のアソコって感じでさ…いや、オレは女の子とやったことないし、処女のアソコって見たことなんてないんだけど
…ぴったりと口を閉じててさぁ。なんだかそんなかんじなんだよなぁ。
「先輩、先輩もしかして」
オレはずっと頭にこびりついていた疑問を口にした。
「もしかして、やられたことないの?」
先輩はオレのアレをぶはっと吐き出して、身体を捻ってこちらを向いて、かあっと顔を赤くして
「そうだよっ、わるいか」
と怒ったようにいった。
「うわぁ〜まぢ? ほんと?」
オレはその返事に躍り上がった。
「じゃあ、オレが先輩のはじめてってこと? 」
「うるせえよっ佐々木っそうだよそのとうりだよ」
先輩の顔が一層紅くなる。
「先輩口が止まってるよ、ちゃんとしゃぶってよ」
オレは俄然張り切って先輩のお尻をぱんぱんと叩いた。
先輩はぷいっと顔を背けると、オレのを口にくわえ込んで上下に顔を動かしはじめた。
オレは指で先輩をなぶるのをやめて、顔をおこして、尻の穴をべろでつついて周りを嘗め回した。
その途端先輩の尻がひくっと動いて、膝の力がぬけたのかオレの顔の上にすとんと落ちてきた。
オレが顔を密着させてべろべろ嘗め回すと、おれのアレを咥えている口がきゅっとしまってべろがオレのサオをぞろりと舐めあげた。
うわあ、最高っっもうたまんないがまんできねぇッ
オレは起きあがるなり先輩をコンクリにひき倒して、両足をカエルみたいに押し開いてのしかかって開いた太股をオレの膝の上に抱えるようにして、先輩の尻をコンクリからうきあがらせた。
片手でつかめないくらいにでかくなったオレのを、先輩の尻の穴に押し当てて、力を込めて押し入れる。
先輩がせっせと嘗め回してくれたから唾液がいい感じで潤滑剤になって、狭い入口を分け入っていく。
「ばっばばばばばかやろうっいてえっいてえよっ佐々木っ」
先輩の腕がオレの両肩を掴んで上半身を反り返らせて悲鳴を上げる。
「がまんしてよ先輩っそんなに大声出したらだれか屋上に上がって来ちゃうよ」
オレの言葉に
「ちくしょぅっ」
と先輩は毒づいて唇を噛みしめて痛みを押し殺した。
オレは密封された狭い場所にめりめりと自分のを押し入れて、半分まできたところでおもいっきり突き込んだ。
先輩が
「ううっ」
とうめいて、オレの肩を掴む手に力がこもる。
「先輩っ、動くよ動くよいいよね」
オレは先輩の返事も待たずに腰を動かしはじめた。
オレはフェンスに背中をもたれかけてあぐらをかいて座って、膝の上に先輩の身体を抱え込んでいた。
先輩の腹にはオレの出した精液がもう乾いてこびりついている。
やっぱりというか案の定というか、オレが一回だけでは満足するわけがなくて、今も先輩の中にアレを押し込んでた。
先輩はオレの肩口に顔を押し当てて、オレのシャツを噛みしめて声を殺してる。
オレは腕力にモノを言わせて先輩の身体を上下左右に振り回した。
その度に先輩が
「あんあん」
と、かわいい声を上げてオレに頭を擦り付けるんだ。
いつもオレをいいようにあしらってオレを啼かせてる先輩が、オレのをくわえ込んであえぐんだからたまんない。
おまけに、半泣きで「勇太っ」ってオレの名前を呼ぶんだぜ。
今までずっと佐々木とか、お前と呼ぶばっかりだったのに、すげえ甘い声で「ゆうたぁ」ってあえぐんだ。
くぅったまんねえっ!
先輩の身体を持ち上げては落としオレのアレが先輩の中を突きまくる。
「あっああっゆうたっやめっ…あっうううっ」
「先輩っ気持ちいい? いいの? ねえっオレのいい?」
「…ッ! ! ああっ あひっあひぃっ! 」
先輩の背中が反り返って、オレの腹で擦りあげられた先輩のアレがぶるぶると震えて勢いよく射精した。
そのとたん、ふにゃりと先輩の身体から力が抜けて後ろに倒れ込みそうになるのをあわてて胸元に抱え込んだ。
……先輩は失神しちゃたんだ。
素っ裸の先輩の身体を膝の上に抱えなおして、脱ぎ散らかした制服の上着を身体に掛けた。
結局、先輩が失神しちゃったからオレはフィニッシュきめられなくて不完全燃焼気味なんだけど、意識のない先輩にはできないだろ。やっぱり。
どうせなら意識のある先輩の中にめいっぱい注ぎ込んで「ああん」なんて声をあげさせたいじゃん。
目を閉じた先輩の顔はあいかわらずきれいで、オレはそれを見るとうっとりしちまう。
オレをコマしてイく時より、オレにヤられてイっちまう時の方が何倍も色っぽくて美人だったなぁ。
ああ、先輩怒るかなぁ。
けっこう無茶しちゃったもんな。
でも、先輩の『はじめて』を頂戴しちゃったし、先輩の弱いところわかっちゃったし。
明日になってシャワールームでめちゃくちゃやられても、ばっちり反撃しちまえばいい。
なんたって、腕力ではオレの方が勝つんだから。
ほんの少し肌寒い秋空の下でオレは先輩を抱きしめた。
オレと先輩二人っきりの屋上で、オレは最高に幸せな17歳の誕生日をむかえたんだ。
オリジナル/短編集/オレ達の場合
イラスト 剛龍様
文 瑞生