オリジナル／短編集／おさななじみ

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　前山さとしとオレ矢神宏一は誕生日が一緒の幼なじみだ。
同じ病院でさとしが産声をあげたその一時間あとに隣の分娩室でオレがうまれたらしい。
　隣り合わせの保育器でさるみたいな顔をした赤ん坊の時の二人の写真を見るたびに、つくづく人間ってかわるもんだと思う。
　だって、今オレの足下にしゃがみ込んでオレのチンポをしゃぶっているさとしの顔は、そのへんのアイドルの女の子より、かわいくて、すげぇエッチだ。
あんなにちんくしゃで、これが人間の顔かぁ？　って思うくらいのおさる顔だったんだぜ。
　まあ、かくいうオレも自分で言うのはなんだけど、そこそこいい男に育ったらしくて、中学まではけっこう女の子が群がってて、よりどりみどり、食い放題ってかんじだった。
　さとしはさとしで、あの顔だろ。やっぱり女の子からアプローチいっぱい受けてたけど結局誰ともつきあったりはしなかった。
オレの方も何人かの女の子とつきあったりもしたけれど、なんか違う。
一ヶ月とか二ヶ月つきあってすぐお別れ、のパターンの繰り返しで。
　今からおもえば、オレはつきあってた彼女とさとしをくらべてたんだな。
男と女をくらべるってのもへんなんだけど、女の子の何気ない仕草とか口調とか、さとしならこんなふうだろうなぁとか、さとしと一緒なら何にも気にせずに遊べんのになあとか、考えてたんだ。
　さとしといるとすごく楽で、女の子と付き合ってるより楽しくて、自分を繕ったりしなくてもいい。
自然な自分でいられるんだ。それは、さとしも同じだったらしい。

　気がついたらオレはいつもさとしを見ていて、さとしもオレをみてた。
お互いに言葉に出したりしたことはなかったけれど自然に自分たちの気持ちを自覚していったんだ。
女の子との恋愛と何にもかわらない。
男同士っていうハンデがあったから、オレ達の想いは他人には明かせなくて、それがよけいにオレ達を一つにしたんだ。


　中3の冬にさとしの部屋で初めてキスをした。
オレは2年の時に付き合った女の子を相手に童貞を捨てていたけど、さとしとのキスは初体験の時よりもっと興奮した。
　さとしのベッドに二人で座ってキスをして、オレがべろを入れたらさとしもぎこちなく受け入れてくれた。
オレは頭に血が上ったみたいになって、さとしの身体をベッドに押し倒し上にのしかかって口の中を舐め回した。
　キスし続けているうちにオレのチンポがむくむくと大きくなっていく。
オレの股にあたってるさとしのも大きくなっている。
これが女の子相手だったら、このままエッチになだれ込んでってなるんだけど、男同士だとそうもいかない。
　男同士のエッチのやり方なんて、当時のオレ達は何にも知らなかったんだ。
オレ達はキスしながらオレはさとしのを、さとしはオレのを握ってお互いのチンポを擦りあった。
　一人でマスをかくことはあっても他人の手でやるってのは初めての事ですげぇ刺激的で、それが好きなやつのチンポなんだからよけいに興奮する。
女の子とのエッチなんかより何倍もいい。
でも、やっぱりそれだけじゃ物足りなかった。
だけど、それ以上のことをする勇気も知識もまだなかったんだ。

　高校生になってオレ達はまた一緒の学校に進学した。
男子校だったから、オレ達が一緒にいても違和感もない。
そのころになるとオレ達のエッチの知識も増えてきていた。
　手でしごきあうより、口でやったほうが何倍も気持ちいい。
女の子とつきあってたころは、女の子にフェラチオさせるなんて考えてもなかったんだよな。
女の子も口でするのはいやがってたし。
　だから、初めてさとしがオレのチンポをしゃぶってくれた時はすげぇうれしくて、気持ちよくて、天にも昇るって言葉そのままの快感だった。
それからはもうやみつきだ。
サカリのついたネコみたいにオレ達はやりまくってた。

　先月、オレは通販の男同士のAVビデオを買った。
裏モノ無修正のファックビデオなんだ。
インターネットで申し込んで郵便局の局留めで受け取って、その足でオレはさとしを携帯で呼びだした。
オレんちの両親が法事で一日家をあける。
お泊まりコースでさとしと朝までいっしょだ。

　無修正のそれは、かなり過激でオレ達はびんびんに興奮してきてリビングのソファでエッチになだれこんだんだ。
シックスナインでしゃぶりあって、一回ずつ出した後、オレは、初めてさとしの尻に手をのばした。
　さとしをソファにもたれさせて、お尻を高くあげさせてからオレはすでに復活しているチンポの先っぽを尻の穴におしあてた。
経験もないし、なんの準備もできていないさとしのそこが、大きくなったおれのチンポをすんなり飲み込むわけがなくて、さとしはソファに突っ伏して苦しそうに声をあげる。
　オレもさとしの尻に押し当てた先端を何回か無理矢理押し込もうとしたけど、入口の先をつついただけで我慢できずにさとしの尻に精液をぶちまけてしまった。
二人で顔を見合わせて、どちらともなく笑い出してた。
「なさけねぇ〜」
と涙を浮かべてゲタゲタと笑ってるオレに
「ビデオみたいにうまくいかないね」
とさとしもにじんだ涙を手のひらで拭いながら笑った。
　その後はエッチを続けるって雰囲気じゃなくなっちゃって、ゲームをしたり、普通のビデオ見たりした。
情けない初体験だったなぁ。ほんとに。
オレはさとしとやりたくて、さとしもオレと一つになりたい。
気持ちだけが空回りする感じでじれったい。
　女の子との時は結構簡単で、まあ女の子もお手軽な子だったから、さくさくっとできちゃって、こんなものか？　って感じの初体験で。
童貞じゃなくなったっていうだけのそんな感慨しかなかった。
　だけどさとしとのそれは軽々しい気持ちじゃない。
好きでたまらなくて、いつも一緒にいたくて、だけどオレ達は男同士で世の中ではまだまだ歓迎されない関係で。
オレ達はまだガキだったけど、想いは真剣で。
真剣なだけにオレ達のいる足場は薄い氷が張っているだけの不安定なところで、それがわかっているから余計にがむしゃらに前進してしまう。
好きだ、って言葉を口にしてもそれはその時だけのものでしかない。
身体をあわせてお互いを確かめ合うことで、オレ達の気持ちが本物だって感じることができるんだ。

　失敗したけど、オレ達はあきらめた訳じゃなかった。
時間があればオレ達は、何とかならないかと悪戦苦闘だ。
やっぱりやりたいじゃないか。わかるだろ。
いろいろやってるうちにさとしの身体もそれなりに出来上がっていった。
もちろんオレはいつでも万全だ。


　今日の3限目の現国の時間は自習だった。
クラスの連中はてんで勝手にやっている。
オレは、さとしに目配せしてさっさと教室をぬけだした。
　2限目の体育の授業の内容がマット運動で、オレの目の前でさとしが開脚前転なんかを短パンでやってくれたりしたもんだから、オレは他の奴らに気づかれないようにテントを張った股間を隠すのに必死だった。
　だってさ、さとしの足の内股にオレが昨日つけたばかりのキスマークがしっかり見えてるんだぜ。
そこを舐めるとさとしがくすぐったそうにするから、わざとそこばかり狙ったんだよな。
　昨日はさとしの部屋でやったんだけど、さとしはオレの指を二本飲み込めるまでになってた。
指をつっこんで押し広げるように動かしてもあまり辛そうじゃなくなった。
思い切ってチンポをつっこんだけど、「痛い」って言って身をよじる。
結局無理ができずにすぐにやめちまった。
　さとしは「ごめん」っていって持て余しているオレのを口で抜いてくれた。
やっぱり、痛がってるのを無理矢理やったっていいもんじゃないだろう。
オレも気持ちよくってさとしも気持ちいい、そうでないとだめなんだよな。
　でもオレはかなりたまってきていた。
家に帰ってからもんもんと一人でこすったりして、頭の中でさとしの尻にがんがんチンポぶち込んでやった。
想像の中のさとしはオレが無理矢理捻り込んでも悲鳴なんてあげたりしないし、自分から尻を動かしたりする。
いったいいつになったら、ほんとにできるんだろうなぁってため息ばかりだ。
　そんなところに、今日のさとしの生足開脚前転だろ。
オレは授業中だってのに、やりたくてたまんなくなってたんだ。


　学校で人目に付かない場所といえば限られていて、前から目を付けていた場所にオレはさとしをつれていった。
オレ達が忍び込んだのは一階の教職員専用の男子トイレだった。
　一番奥の個室にさとしを引っ張り込んで後ろ手で鍵をしめるなり、抱きしめてキスをした。
手をさとしの制服のズボン股間に押し当ててぐにぐにと揉んだら、さとしはちょっと身をよじって
「宏一、やめてよ」
と顔を赤らめていった。
「やりたい、どうしてもやりたい」
オレはさとしの手を掴んでオレの股間に触れさせた。
傍目にもわかるほどオレのそこは大きくなっていて、さとしはいっそう顔を赤く染めた。
　授業中だし職員トイレなんかに来るやつはいないから、と説得しつつオレはベルトをはずしてパンツからチンポを引き出した。
さとしは
「一回だけだよ」
とふたをおろした便器の上にすわって身体をかがめてオレのチンポをくわえた。
　さとしのきれいな顔がオレの股間で動いている。
慣れた仕草でオレのを手に掲げ持って、んむ、うふって鼻息を漏らしながら舐めているのを眺めているとオレのチンポはびくびくと脈打って大きく反り返る。
学校の授業中にトイレで隠れてこんなことやってるなんて誰も知らない、そう思うとよけいに興奮する。
　オレはさとしを立たせると場所をいれかえて便器に座って今度はオレがさとしのチンポを咥えた。
さとしは顔を両手で覆うと、あぁ、と小さくため息をもらした。
　オレはしゃぶりながらさとしのズボンをパンツごと膝まで引きずりおろした。
両手で尻を掴んで指先を尻の割れ目に這わせるとさとしが身をよじる。
窄まりに指を差し入れるとさとしは、あっと声を上げて身をかがめてオレの頭にしがみついた。
「や、やめろよ。宏一っ」
　さとしの言葉にオレは二本目の指を加えることで答えた。
中で指を広げてそこをゆるめて、もう一本指を差し入れた。
さとしはあきらめたように目を閉じてオレの頭にかじりついたまま、小さく声を上げる。
　場所が場所なだけにさとしもいつもより感じているみたいだ。
口の中のさとしのチンポがむくむくと大きくなって、べろで先端をつつくと先走りの苦い味がにじんでる。
膝ががくがくっと折れてもう立ってられないって感じだ。
　オレはさとしから離れると、また場所を入れ替わった。
さとしを便器に向かって立たせると両足を肩幅まで開かせた。
さとしは前のめりになって水槽タンクの上蓋に両手をついて身体をささえる。
そうでもしないと立ってられないんだ。
　オレは屈んでさとしの尻にべろを這わせた。柔らかくて、ちょっと汗がにじんでいる。
膝までずらしたズボンを足下に引き下ろし、片足ずつ持ち上げてズボンを抜き取って便器のふたの上に置いた。
さとしは狭い個室の中でパンツを片足だけ通しただけの格好でオレに尻を舐められている。
　指で広げた窄まりをべろの先をとがらせてつつくとさとしの尻がいやらしく動く。
ああ、もうだめだ。
オレは身体を起こすとぎんぎんに立ち上がったチンポを掴んでさとしの尻にねらいを定めた。

「いくよ、いいよな」
オレはさとしの返事も待たずに先端を捻り込んでいく。
さとしの背がぐっと反り返った。
ぐぶぐぶと先端がさとしの中に飲み込まれていく。
　いつもならこのあたりでさとしは苦痛を訴えるんだけど今日は違った。
「う・・んっ」
と声をかみ殺して耐えている。
どっちにしろ、今のオレは途中でやめる気は毛頭なかった。
やめられるわけがない。
オレはもう堪りに堪ってたんだ。
　先端が入ったらあとは何とかなる、狭いその入口を押し開くように太くなったチンポを飲み込ませていく。
ああ・・・気持ちいい。
さとしの中はあったかくて狭い壁がぎゅっとオレを押し包む。
あとちょっとだ、後少し。
全部はいるまで、もうちょっと・・・！

　その時、バタン、と音がしてトイレのドアが開いた。
オレ達は一瞬石になったように固まった。
誰だよッいったいなんで今頃トイレに来るんだよ！
　ずるぺた、ずるぺた、と特長のある足音がオレ達のしけこんでる個室の近くまで近づいて、隣の個室のドアを開けて中に入った。
あの足音は美術のアベッちだ。
水虫で年がら年中素足にサンダルだから、いつもあんな足音をたてて歩くんだ。
　さとしがパニックになった顔でオレを振り返る。
オレもきっと同じ顔してたんだろうな。
オレの方はもっとやばい。
隣に先生がいるってのに腰が止まんねぇんだ。
ずぶずぶとチンポを押し進め続ける。
隣に人がいる緊張感でさとしの中がぎゅぅっと締まる。
すげぇッすげぇッたまんねぇぇッッ！オレは一気にさとしの中にチンポを根本まで押し入れた。
さとしの頭が衝撃で揺れ、手の甲を咬んで声を漏らすまいと耐えた。
　隣ではアベッちが鼻歌を歌いながら用をたしている。
ちくしょう早く出てっちまえよ！学校でクソなんてすんなよなッ！
オレは隣のアベッちを毒づきながら、ゆっくりと腰を動かした。
さとしは手の甲で声を殺し頭を左右に振り続ける。
指二本をやっと飲み込めるようになったくらいだから、すげぇ痛いんだろうな、と思ってはいても、腰の動きはどうにも止まらない。
ぎゅうっと締め付けるさとしの中でオレのチンポはますます大きくなっていく。
　水音が流れ、やっと隣からアベッちが出た。
のんびりと手を洗う音がして、ずるぺた、ずるぺたとサンダルの足音がトイレから出ていった。




　ドアが閉まる音がしたと同時に、さとしの口から手の甲が離れ、
「あぁぁ」
と声を上げた。
オレも腰の動きを早める。
　さとしは片足を便器の上に載せて、少しでも身体に襲いかかる痛みを減らそうとした。
「うっうぅ」
とさとしは苦しそうに声をもらす。
痛いんだよな、すげぇ痛いんだよな、わかってる。
でもオレはものすごく気持ちいい。
最高だぜさとし。
　さとしの腰の位置が変わったからオレはさとしの腰をしっかりと抱えなおしてもっと深く中に突き入れる。
すると、さとしの身体がひくひくっと小刻みに動いた。
「こっ、宏一っ」
さとしがオレを振り返って名前を呼ぶ。
そして
「そこ、それ、イイ」
と言った。
　オレの突き入れる角度が微妙に変わって、さとしの前立腺を直撃したらしい。
さとしは口をぱくぱく開けて
「そこ、もっと、もっとッ」
と訴える。
　なんだか辛そうだった顔も少し変わってきたみたいだ。
ほっぺたが赤くなって、噛みしめていた唇が真っ赤になって、唾液でてらてらと光ってる。
　キスしたいッ舐めまわしたいッ！AVの女優なんて目じゃねぇくらい色っぽいさとしの表情にオレの頭の中は真っ白にはじけ飛ぶ。
「さとしッさとしッ」
オレはさとしの名前を連呼しながらぐちゃぐちゃに腰を突き動かした。
さとしも
「あっあっあっ」
と声を上げてオレをしっかりと受け止める。
さとしの股間でゆらゆら揺れているチンポから先走りの液が白い便器に垂れて落ちて、さとしもオレも最高に感じてる。
　いつのまにかさとしは、便器に載せていた片足を水槽タンクの上に抱え上げていた。
むき出しの太股を支えるさとしの指先に力がこもっていて皮膚が真っ赤になっている。
また腰の位置が変わってより深くオレのチンポが突き刺さる。
オレはさとしがイイといった場所を力任せに突きまくった。
　オレはもう限界だった。
今まで以上に激しく突き入れると
「・・うおッ」
と呻いてさとしの中に精液をぶちまけた。
「こういちッ」
おれの名を呼んでさとしもイった。
便器の上に白い精液が垂落ちた。
オレ達の初めてのセックスはこうやって、終わったんだ。


「ばかやろ」
　便器に座ったさとしにズボンをはかせていたオレの頭を、さとしはグウにした手で叩いた。
「ごめん」
オレはあやまるしかない。
「ばかやろ」
また、さとしが言った。
上靴をはかせて、
「ごめん」
とあやまる。
そりゃあ、悪かったよ、トイレでやっちまうなんて、どうかしてた。でもどうしてもやりたかったんだ。
　言い訳しようと顔を上げたオレの目の前にさとしの顔があった。
オレをのぞき込むさとしは口をとがらせて怒っている。
やばい・・やばいよな。
口を開きかけたオレよりも先に
「隣でエッチしてたなんてアベッち知ったら驚くだろうね」
と、さとしが言った。
「スリルあったね」
あはは、とさとしが声を上げて笑った。
「最初は冷や冷やしたけど、おもしろかったな」
と、オレもつられて笑う。
「どうする？」
さとしに言われて腕時計を見る。
やべぇ、もう4限目始まってるじゃねぇか。
「このままフケちゃおうか。夕方まで親いないんだよね、おれんち」
さとしの目が誘うようにオレに向けられる。
　オレはさとしの手を取り狭い個室を出て、窓を開けて上履きのまま目の前の中庭に飛び降りた。
誰にも見つからないようにこっそりと生徒用玄関に向かう。

今までずっと一緒にいた。
これからもずっと一緒だ。
　オレはつないださとしの手をぎゅうと握る。
さとしも握り返す。
さとしの手は暖かくて、オレは最高に幸せだった。

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オリジナル／短編集／おさななじみ